無痛性甲状腺炎

無痛性甲状腺炎

病態

 無痛性甲状腺炎の病態は、何らかの理由により自分の免疫により甲状腺が破壊されて、その破壊された甲状腺から甲状腺ホルモンが血中に流れ出してしまう甲状腺ホルモンによる中毒症です。

 経過としては大まかに4つに分けらます。

1、最初は血中甲状腺ホルモンが多い中毒期。

2、次に一旦数値が正常に戻る正常期。

3、次に今度は甲状腺ホルモンが低下してしまう低下期。

4、最後にもとに戻る回復期

この様な過程を辿ります。基本的にはこの症状は回復していきます。

どの様な症状が出るのか

 無痛性甲状腺炎を患うと動悸、息切れ、体重減少、汗をかきすぎる、手の震え、イライラ感などが出てきます。この中でも動悸に関しては1~2週間で症状として現れて2~8週間は動悸が続くけれどその後は自然と回復するケースが一般的なようです。

それぞれの段階での症状

 先述した通り、無痛性甲状腺炎では大まかに4つのステージに分けられます。ではそれぞれの病期ではどのような症状が出るのでしょうか。

1、中毒期

 まず最初に頻脈や動悸が出て、異様に暑さを感じたり精神面でもイライラしたり落ち着かなくなったりと感情障害が現れます。

2、正常期

 最初に現れる中毒期を超えると次に一旦、短期間ではあるけれど正常な状態に戻る期間が出ます。この時はそこまで症状は現れません。

3、低下期

 低下期になると中毒期とは反対の症状が現れてきます。全身の倦怠感や集中力の低下、うつ症状などが主に出ます。イメージ的には中毒期はプラスやアクセルが過剰な状態で、低下期はマイナスやブレーキが過剰な状態です。

4、回復期

 徐々に症状が回復していきます。ほとんどの場合が回復しますが、稀にずっと低下期が続く永続性低下になる人もいるようです。

検査について

 無痛性甲状腺炎の診断を下すのには次のような検査の数値が現れます。

 まずは甲状腺ホルモンであるFT3、FT4の数値が高くなります。そして甲状腺を刺激するホルモンであるTSHは低くなります。そして甲状腺で作られる糖蛋白であるサイログロブリンの数値が高くなります。

 しかしながら長い期間この症状を患っている場合は上記とは反対に、FT4が低くなりTSHが高くなり、筋肉の中にたくさん存在している酵素であるクレアチニンキナーゼの数値が高くなります。

病院での治療について

 病院では基本的に症状に対して治療を行う”対症療法”が中心となります。例えば動悸に対しては動悸が抑えられるような薬、倦怠感には脳の働きが活性化するような薬などです。

 中毒期や低下期などのそれぞれの過程において4~6週間に1度採血をして経過を診ていきます。低下期に関しては、低下期が長い場合には甲状腺ホルモン薬を少量から開始して低下を補うような治療が行われています。

 それ以降、3~6ヶ月に1度採血をして甲状腺の機能が回復したか否かを経過観察していくのが一般的です。

鍼灸での治療

 鍼灸ではこのような症状に対しても本質的な所から治療をするということはどの症状でも同じです。症状や病気という一つのことに囚われることなく、全ての症状において一つの体を診察して治療を行います。

 甲状腺においては臓器でいえば特に”腎”と関連が深く、東洋医学的な腎の症状が出ていないかを確認します。

 腎の東洋医学的な症状としては、腰痛、冷え、足腰の脱力感、トイレが近くなる、むくみ、睡眠の質の低下、不眠、倦怠感などがあり、それらの症状がどこまで出ているか確認します。腎の症状の数が多ければ多いほど腎の状態が悪いことが考えられるために、より腎の手当てをしなければなりません。

 また、他にも頭痛やイライラなどの”肝”の症状や甘いものの過食や口渇などの”脾”の症状なども重なり合っていることが臨床では多々あるために様々な可能性を探りながら治療します。

 そしてそれらの本質的な治療を行いながら、腰痛や膝痛、肩こりなどの現時点で自覚している症状の治療も並行して行います。そのことで、現時点で辛い症状を治し、しかしながら真の原因である根本的な症状も治すことが可能になります。

 そして症状が発症するには各個人の環境的な要素も多くあるために、その人に合った日頃実践が出来るようなセルフケアの提案も欠かせません。

 以上、無痛性甲状腺炎についてお伝えしました。もしお困りであれば一度ご相談ください。

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