帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛

病態

 水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の回帰発症により神経支配領域に沿った皮疹が出ることが定義とされています。

 幼い頃に水ぼうそうにかかるとそれが治っても水ぼうそうの原因である水痘帯状疱疹ウイルスが感覚を感じる神経のところに潜伏します。本来であれば免疫力でそのウイルスを制圧した状態でいますが、加齢・疲労・ストレス・紫外線・がん・免疫を抑える薬などの要因により免疫力が低下してウイルスを制圧できなくなると、水痘帯状疱疹ウイルスが神経に沿って皮膚の細胞で増殖して皮疹や神経痛を発症させます。

症状

 まず始めに神経に沿った痛みや違和感が出てきます。その数日後に皮膚の症状が出てきます。しかしながら、いきなり皮膚の症状が出ることもあれば、皮膚の症状が出ずに痛みや違和感だけがずっと残ることもあるので、一概には言えない部分があります。

病院での治療

 病院では発症したら早い段階のうちに症状の程度に合わせて抗ヘルペス薬を使用します。

 ・軽度、中程度の症状:バラシクロビル、ファムシクロビル

 ・重度の症状:アシクロビル、ビダラビン

 以上の抗ヘルペス薬を用いると同時に痛みを緩和させるためにNSAIDs(ロキソニンなど)やアセトアミノフェンなどの痛み止めの薬や、神経痛に対してステロイドも使用することもあります。

 ちなみに、皮膚の症状が治っても神経痛だけが残ってしまうものを”帯状疱疹後神経痛”とよび、この段階になるとNSAIDsなどの痛み止めでは効果が低く、神経痛薬のプレガバリンが有効とされてはいますが、痛みをコントロールすることが難しい慢性疾患として認識されています。

 また、顔面部や頭に出る帯状疱疹はラムゼイハント症候群とよび、顔面神経麻痺や内耳神経障害を伴う危険があるために早期での治療が大切になります。

当院での治療

 まず始めに大きな病気など当院では不適応な症状ではないか鑑別します。その鑑別には以下の2つがあります。

①、症候性

 これは何か他に明らかな病気の原因があり痛みや症状が出ているもののことです。以下の様なものが挙げられます。

 ・肋骨、脊椎疾患による神経障害:肋骨や背骨が変形していたりして、それが神経を直接的に障害してしまっている。

 ・大動脈の圧迫:大動脈が神経を圧迫している。

 ・脊髄腫瘍、脊髄弊などの圧迫や癒着:脊髄の腫瘍などにより神経を圧迫されていたり周りが癒着している。

以上のものは鍼灸のみでは厳しく、危険性もあるために病院の受診を優先していただきます。

②、真性

 ①は病院での受診が必要である一方、こちらの真性は鍼灸で十分に結果が出せる症状です。真性の神経痛とは神経に沿って圧痛があるものです。①の様な明らかな原因があるものではない場合はほとんどがこちらのケースです。

 ①と②を問診をして鑑別をした後に、鍼灸で改善ができるものは以下の場所をチェックして治療していきます。

・脊柱の傍ら:痛みが出ている神経につながっている背骨の場所の圧痛を確認。

・神経に沿った場所:痛みが出ている神経に沿って圧痛を確認して、どのくらいの範囲まで痛みが出ているか確認。

 以上の2つのポイントを抑えます。

 そして東洋医学では全身の状態を診察していく必要があり、特にこの症状のケースでは免疫力の向上をしていかなければなりません。免疫が低下すると腰部や首に圧痛が出やすくなります。また、肩甲骨周辺にも圧痛が出やすくなります。それらの圧痛を除去することで全身の血流を改善し、気血が滞りなく流れる様にしていきます。その様な状態になることではじめて免疫力が回復して病状が改善していきます。

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