甲状腺機能低下症(橋本病・慢性甲状腺炎)

甲状腺機能低下症(橋本病・慢性甲状腺炎)

病態について

 甲状腺機能低下症(橋本病・慢性甲状腺炎)の病態は潜在性と顕在性の2つに分けられます。

潜在性

 潜在性の機能低下は免疫の異常により甲状腺の一部が破壊されると甲状腺ホルモンの産生量が減ります。すると甲状腺ホルモンの分泌量の調整は脳下垂体が指令を出しているため脳下垂体にもっと甲状腺ホルモンを分泌する様に指示を出します。そのことで甲状腺ホルモンは強い指令を受けてたくさん分泌するのでホルモンの量はある程度保たれます。

・甲状腺の一部が破壊→甲状腺ホルモン減少→下垂体へもっと分泌する様に指示(正確にはニュアンスが若干異なりますが)→甲状腺ホルモンをさらに分泌→もともと分泌が減っているので結果プラスマイナスゼロになりホルモン量は維持される。

顕在性

 顕在性とは字のごとく、明らかにという意味です。こちらは潜在性の時よりも甲状腺の破壊が進んで甲状腺ホルモンが減ってしまい、脳下垂体へもっと分泌する様に指示を出しますが潜在性の時点で最大量の指示を出しているのでそれ以上の指示ができずに、十分なホルモン分泌ができなくなりホルモン量が減ってしまう状態です。潜在性の時点ではホルモン量は維持されますが顕在性になるとホルモン量は減ってしまいます。

・甲状腺の破壊が進む→脳下垂体へ指示を出す→脳下垂体はすでに最大限の指示を出しているのでそれ以上の指示ができない→十分量の甲状腺ホルモンが分泌できない→ホルモン量が減る。

どの様な症状が出るのか

 症状については代謝が低下して出る症状と粘液水腫(ムコ多糖というものが沈着してなる)による症状の2パターンがあります。

代謝低下による症状

 思考力・認知機能が低下する、言語が鈍くなる、脱毛、発汗しにくくなる、低体温、皮膚が乾燥する、疲れやすくなる、筋力が低下する、便秘になる、脈が遅くなる、貧血になる、月経の量が多くなる、などがあります。

粘液水腫による症状

 まぶたのむくみ、表情が乏しくなる、舌や唇がむくむ、声がかすれる、声が低くなる、難聴、心肥大、などがあります。

病院での治療

 甲状腺機能低下症(橋本病・慢性甲状腺炎)は病院では一般的に補充療法を用います。補充療法とは甲状腺ホルモンを補充して甲状腺ホルモンの濃度を維持するというものです。ただし、甲状腺機能が正常範囲内であれば経過観察して特に補充療法をしたりすることはあまりありません。

 補充療法の時に使用するものは甲状腺ホルモンのT3製剤かT4製剤ですが、T3製剤は昏睡状態になった時などに使用するものでほとんどはT4製剤で少量から始めて血中濃度に合わせて足りなければ増やしていく方法が取られています。

当院での治療

 甲状腺機能が低下していると交感神経の機能も低下していることが考えられるため、まずは自律神経のバランスを整えていく治療をします。自律神経の乱れは体のあらゆる場所に出てきますが、首の胸鎖乳突筋という筋肉に最も現れますので、そこの硬さや痛みを取り除きます。

 また、甲状腺を含む内分泌のトラブルがある人は腰椎の1〜4番が緊張して硬くなっていたり痛みが出ることもあるためにその場所も治療をしていきます。

 甲状腺の他に、甲状腺の周りに副甲状腺(上皮小体)がありますが、副甲状腺の機能も低下している人は腕の痺れ、情緒不安定、てんかん様痙攣、便秘、狭心症に似た症状、低カルシウム血症などの症状も併発することが多いので、副甲状腺の機能も低下している場合には特にカルシウムの摂取をすることや、糖分を控えることも重要になってきます。

 最後に東洋医学では症状のみならず、全身の状態を診て治療をしていくのが大原則になりますので、症状によって反応が出やすいポイントの治療はもちろん、個人個人の体質や生活習慣などその人に合った的確な治療をすることが最も重要です。そこを的確にするために時間をかけて問診や触診をして正確な治療ができる様にしていきます。

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