肩こりの針治療の効果は?

肩こりと針治療について

 いきなりですが肩こりの症状を持つ人が日本にはどのくらいいると思いますか?厚生労働省の2016年の国民生活基礎調査によると男女で若干の差はあるものの女性では1000人に対して117.5人、男性では1000人に対して57人もの人たちが肩こりで悩まされています。比率ではなく数に換算するとなんと男女合わせて1700万人もの人々が肩こりで悩まされているという衝撃の事実があります。この人数、確かに自分自身や周りの人を見渡すと納得できる数かもしれません。自分を含めて周りにも結構肩こりがひどいとか肩が痛いという人は多いのではないでしょうか。反対にどこも悪くない痛くないという健康体の人の方が少ない気がします。

 上記のことから肩こりは女性が抱える悩みの第1位に、男性では第2位になっておりもはや国民病とも言えますね。ちなみに海外ではどうなのかというと、外国人の人は肩こりというイメージはあまり持ちませんね。確かに一定数はいると思いますが少なくとも日本ほど悩んでいる人は少なそうです。私自身アメリカで多くの患者さんを診させてもらいましたが、肩こりで治療にくるということはあまり多くなく肩が痛いと言えば五十肩などの痛みが多かったと思います。

 ではなぜ肩がこるのでしょうか。

肩こりの要因や原因は?

 先ほど肩こり人口がいかに多いかを伝えましたが、ではなぜそこまで肩こりの人々が多いのでしょうか。

 まず大きな原因としては皆さんご周知の通りパソコン作業があります。昔よりも最近の方が肩こりを訴える人が多いのはパソコン作業が必須になる時代に加えてスマホの普及もあります。日本人のスマホ平均使用時間は2〜4時間といわれています。この時間に加えて仕事ででのパソコン作業を加えると1日に8〜10時間くらい使用している人も少なくないのではないでしょうか。

 パソコンやスマホを長時間使用する影響としてはブルーライトにさらされることや、同じ姿勢でいることでの血行不良があるでしょう。まずブルーライトの良くない要因は目の網膜まで直接的に影響してしまうことです。通常、ものをみる時には水晶体や角膜などで光の加減を調節して網膜に届かせてものを見るということをします。ただブルーライトの場合はそれらを通り越して直接網膜に到達してしまうために刺激が強すぎてしまうのです。そうすると眼精疲労になるばかりか目の痛みを訴えたり、長期間そのような状態が続くと加齢黄斑変性などの目の障害にも結びついてしまう可能性もあります。目が疲れると肩こりを訴えるのは、目が疲れるとたくさんの血液を目に供給しようとして頭部への血流を増やします。それは良いなのですが問題なのは目の周りに向かった血液が戻ってこないことにあります。血液は心臓から出て心臓にかえってくる巡りの要素が重要です。意外と血行不良で血液が届かないことに目が行きがちですが、戻ってこないことも重要です。不要な血液はきちんと巡らせて腎臓で濾過して体外へ排出しなければならないのに、悪いところに不要な血液が溜まっていると痛みや痺れを引き起こし、これが東洋医学でいう”悪血”という汚れた血液ということになります。このようなことが起こるために血液の滞りは良くないのです。

 次に長時間同じ姿勢でいることについて。これはもうすでに一般的なことになってきましたが、同じ姿勢でいるということは同じ筋肉を使っているということ。その時間が長ければ長いほどに同じ筋肉ばかり使ってその筋肉が筋疲労を起こして固まってしまうためにコリが出来てしまうのです。パソコンやスマホでは、首や肩の筋肉に負担がかかる姿勢なのでこれらの場所に筋疲労が起きて肩がこるというわけです。

肩こりはどうやって針で治療する?

 肩こりの針治療に必ずこうするといった決まりはありません。肩こりは先述した通りに大まかな2つの要因はありますが、それらはあくまでも要因であり引き金なのでそれが肩こりと直結はしていません。肩こりを感じるには体質的な部分や骨格的な部分に必ずと言って良いほど不具合があります。例えば、体質では持病を持っていたり頭痛持ちだったり冷え性だったり、骨格ではむち打ちの経験があったりヘルニアがあったりケガ歴があったりといったように一人一人の原因は過去のストーリーでありそれは決して同じではないからです。その過去のストーリーを問診や触診で体の反応を診ていき正しい治すべき原因にアプローチをして針治療をしていきます。

 まず体質に問題がある場合。こちらは仰向けになりお腹をみていきます。この診察方法を腹診といいます。当院が行なっているアキュゾーンセラピーという治療方法ではお腹には各臓器の反応が出るとみます。弱っている臓器や不調の臓器はお腹のその臓器と関連するエリアに硬さや痛みとして反応が出ています。その反応を手足のツボを使って取っていきます。手足のツボに鍼をするとすぐに先ほどまで痛かったり硬かったお腹のエリアが緩んで痛みが消えます。これは適切な処置が出来ている証拠で体にとって望ましい反応が出せている証拠でもあります。針治療(アキュゾーン セラピー )はこのように即効性があるためにお互いが治療効果を分かり合えます。従来の針治療は痛いところに鍼をしていましたが、最新の治療ではそのようなことはしません。ただ、伝統的な治療もあれば最新の治療もあるのでどちらが良いとか悪いとかそういう話でもないのでそこばかりは自分が信頼できる鍼灸師の先生に頼んでみるか相談すると良いでしょう。

 次に骨格的な問題がある場合。この時はうつ伏せになって頸椎と胸椎の周りの硬さをしっかりとみていきます。首肩こりの場合は特に胸椎の1、3、5、7番に痛みが出ていることが多いです。この場所は首を支えるのにとても重要な場所になります。首や肩こりの時に首の硬さを取らないことには肩こりも改善していきません。そこで首の硬さを最初に取るのですが、首を支えているのは先ほどの胸椎の場所です。首自体ではありません。なので姿勢が悪くて偏った筋肉の使い方を日頃よりしている人や過去にむち打ちなどの衝撃を受けてもともとダメージがある人はこの胸椎の1、3、5、7番に痛みが出ていることが多くみられます。その場所の痛みを取るために後頭部や背中に鍼をして頸椎や胸椎の周りの硬さをしっかりと緩めて首肩周りの筋肉の張りも取っていきます。

治療のペースは?

 治療のペースは各治療法により最適な感覚や回数は異なりますがアキュゾーン セラピーでは初診から2回目までは1週間、2回目から3回目までは10日〜2週間で計3回の治療を行い、どこまで改善したかをみます。大抵の場合は3回で改善しますが、根深い場合や重度の場合だともう少し回数が必要になることもありますが、それでも20回も30回もかかりません。3回の治療で改善させて、そこから先は他の症状と同様に今後も体のためにケアしたい人は1ヶ月に1〜2回、また痛くなったら治療するという人は痛くなったら連絡をするということで皆さんに任せています。

 どの針治療の方法でもそうですが鍼灸の良いところ、最大のメリットは予防にあります。東洋医学では未病という病気になる前の段階を重要視しています。そのために病気になる前の未病の状態を見極められる理論があります。その未病の段階で適切な処置を施せば病気にならない、なっても軽く済むという概念がありその元に鍼灸や漢方は成り立っていますので、病気になってから対応する西洋医学とは観点が違うためどちらを取り入れるということでなく、どちらも本来は取り入れるべきなのです。これから科学、医学の進歩で100歳まで生きることが不可能ではない時代になりました。人生100年時代ともいわれる時代です。長く生きていくには充実度が必要で人生を充実して過ごすには健康は絶対に不可欠です。健康とお金と時間をよく取り上げられますが、お金ももちろん必要ですが優先順位的には健康よりも低くなります。いくら莫大なお金があっても健康と時間がなければ全くもって有意義に使えません。時間もたくさんあっても健康でなければ有意義に使えません。また、時間も大切ですが時間は絶対にコントロールすることはできません。誰しも平等に24時間365日が過ぎていきます。その中で健康に関しては自分で管理していくことでコントロールできる要素はたくさんあります。だからこそ、症状を辛いまま放置してほしくないと思います。

まとめ

 肩こりの針治療はたくさんの方法がありますがその中で自分に合いそうなところを選んで受診すると良いでしょう。針治療の良いところは柔軟に幅広い対応ができること、一人一人に見合った治療ができること、病気になる前の未病の段階で対応できることなど多くのメリットがあります。

 今まで針のイメージが悪くてなかなか人に勧められたけど受けたことがない、受けたいけれど踏ん切りがつかないという人でも一度あまりにも肩こりが辛いならば受けてみてはどうでしょうか。今は針も細いものが主流ですし、昔みたいにたくさん太い針をして痛いということも少ないです。日本ではまだ認知度も低いし受療率も低いし保険も限られた症状しか適応できませんが、医療の最先端のアメリカではとても盛んに行われているし先日カリフォルニア州で針が保険適応になりました。このように針の効果も認められてきていて多くの人が取り入れるようになってきています。今までの治療から切り替えるのも良いし、そうでなく今までの治療に鍼灸をプラスして足してみるということもできますので、肩こりで悩んでいる人は是非一度針の治療を受けてみてください。針治療で肩こりが改善されればとても嬉しく思います。

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