症状
2週間前くらいからたまに立ち上がる時にふらっとめまいがするようになった。めまいがすると体が左側に傾く感じがする。その他、首や肩こりはいつもあるが、そんなに限界まではきていない。胃の調子はなんとなく不調のような気がする。
動作チェック
今回は自覚的な症状なので動作で判別することは難しい。ただ、首や肩こりの感覚だけ確認してもらう。首の前屈や後屈で首肩周りに張りが出る程度。痛みはなし。
身体チェック
お腹の不調とめまいがあるので、お腹と首をしっかりと診たいため上向きでスタート。
まずはお腹から。
胃、腎、膀胱、左右大腸、膵、脾、肝、胆
に反応あり。また、左ソケイ部は痛みがありソケイ靭帯も硬い。
次に首をエリアごとに分けて細かく見ていくと、
後ろ:右・上から1、2、3、4番目。 左・上から1、2、3、4番目。
横:右・上から2、3番目。 左・上から1、2、3番目。
以上に痛みがある。
治療
まず初めに、
額に1本。
これで身体チェックで反応が出たところの変化を確認。
お腹は胃、腎、膀胱の反応が取れる。その他はまだ残る。
次に、
両足に1本ずつ追加。
これで再度チェック。
お腹は最初に診た反応が全て取れて、全体が柔らかくなる。ただ、胃のエリアが痛みはないし最初よりもかなり緩んだが、まだ少し硬さは感じられる。
次に首。
首もほぼ全てが痛みが取れて柔らかくなる。今残るのは、
横:左の上から2、3番目。
胃の若干の硬さがあることと、左の首横の張りが残るので、
左手首に1本追加。
これで最後残った場所をまたチェック。
胃のエリアの硬さはさらに柔らかくなり、首の横の張りと痛みも取れる。
そのまま足を温めながら20分。
20分後、針を取ってうつ伏せで腰のツボにお灸をして、起きて頂き、今の感覚と首肩周りの感じを確認してもらうと、
「あー、首も肩もすごい楽」
さらに、
「お腹もかなり緩みましたね〜」(緩くて下痢という意味でなく、柔らかくなったということ)
ふらつきに関しては今時点では分からないので、今後経過観察をして頂くことにしました。
今後は経過観察をして頂いて、めまいがどのくらいの頻度で出るのか、程度はどのくらいなのか、を都度確認して頂いて、ひどいようならすぐに来院、症状が出なくて快調ならばそのまま経過観察にしましょうと相談。
考察
今回は胃の反応と、肝の反応が強すぎたことに疑問を思い、何か薬やサプリを摂っていませんか?と聞いたら
「サプリは摂ってないですけど、薬は飲んでます」
「何の薬ですか?」
「胃酸を抑えるやつと便秘薬、それと肝機能の薬です」
ということで、やっぱりと思いました。
胃酸を抑える薬は便秘の副作用があるので、よくセットで出されることが多いです。また、多くの場合は便秘薬も胃酸を抑える薬も処方されるほどの程度ではなく、何となく処方されて薬を飲んでいるパターンです。さらにこのケースでは、肝機能の改善薬も飲んでいるので、もともと肝機能が弱い上に必要性の低い薬を飲まされてさらに肝機能が弱まって、血液循環が悪くなりめまいが起きたと考えられます。
めまいに関して言えば、ほぼ薬害でしょう。このようなケースは本当にたくさんあり、そういう患者さんの数もとても多いです。薬が全て害ということは全くありませんが、必要のない薬までも処方されて飲んでいることにはとても疑問と危うさを感じます。今の日本の診療報酬制度は、以前よりも若干改善されましたがまだまだ薬を出すほどに報酬が発生するという大きな矛盾があります。
また、医師側も患者の訴えに対して何もせずに帰すことは出来ないので、とりあえず薬を出すのです。
このような状況を考えると、今飲んでいる薬が本当に必要なのか考え直す時が来ているように思います。ステロイドなど勝手に自己判断で中止して症状が悪化するものもあるので、自分が薬に対して不安に思うならば医師にしっかりと相談した方が良いでしょう。話しにくいならば、病院を変えたり薬剤師に相談したり、はたまた治療院や整骨院の先生に一言相談すれば何かしらのアドバイスはもらえるはずです。何となく薬を飲むことはやめましょうね!