前回のギックリ腰の経過です。
二回目来院時は、歩行は出来るようになり、痛みも減っているが、まだ夜寝返りを打つ時やふと力を入れようとする時に痛みを感じる時がある。歩行もできるが不安はある。
動きは初診時よりもかなり良く、歩行も普通の動きで歩けている。ひねったり前屈はまだ完全にはできないが、全体的な動き自体は回復している。
そこで、うつ伏せで痛む場所を確認。
前回同様、左背中に痛みがある。ただ、前回は左背中〜腰にかけての広範囲だったのが、今回は左背中のある1点に集中。その他はそこまで痛みは出ない。場所は胸椎の7番レベルの起立筋上。ツボでいうと隔兪付近。
さらに、首や肩を診ていくと、特に張ってもいなく痛みも出なく、問題ない。お尻は左の中臀筋を中心にそれなりに張っていて、ハムストリングも半腱・半膜様筋の側が張っている。胸椎は5〜9番まで痛みが出ていて、腰椎は問題無し。
そこで、
まずは頭に1本針をする。
これで胸椎の痛みが取れて、背中の痛む場所の程度も和らぐ。
次に、
左腰に1本針をして、確認すると、
背中の痛みは更に程度は低くなり、お尻の張りも柔らかくなる。
次に、
左足に1本針を追加。
これでもう一度確認すると、左背中の痛みは更に程度が落ちて現在は2〜3割くらいの痛みに減る。その他ハムストリングの張りも取れる。
そのまま10分寝て頂き、針を抜いて、背中や腰、ハムストリング、膝周りをマッサージ。背筋も緩めるために腕の付け根から背中にかけて更にマッサージ。
これで起きて頂いて、動いてもらうと、
起きあがる際も歩く時も動きは恐る恐るだが、
「そんなに痛くはないです、ただ、怖いですね」
と。痛みはそこまでないが不安がかなりあるとのこと。また、5分くらい様々な動きをしているとたまに痛みが出る。
そこで、
上向きで、左ソケイ部をチェック。もちろん痛みがあり、硬かったので、
もう一度状態を診ると、痛みは半減。硬さも半減といったところ。
次に、
左足にもう1本追加すると、
痛みも張りもほぼなし。
これでソケイ部周りを軽くマッサージして、
もう一度起きて頂き動いてもらう。
「まだ、すこし痛いかも。でも痛くないかも。わからなくなってきました〜」
だんだん分からなくなってきたみたい。多くのギックリ腰患者さんの場合は、痛みが取れても不安がかなりあるためにこのように表現される方は多いです。
最後に、
足のツボを座ったままマッサージして、最終確認。
歩いてみると、
「あー、痛くないかも。怖いですけど。」
「体はひねれますか?」
「いや、怖くて出来ない。。。」
「たぶん、大丈夫ですよ」
ゆっくりひねってみて、さらにもう少し早くひねってみて、、、
「あ、怖いけど出来ますね!」
これで今回の治療は終わり。
今回はギックリ腰で2日続けて治療をしたわけですが、経過として初日に歩けないほどの激痛を抱えて見えて、2回の治療を終えた時点では動きは不安はあるものの出来るようになりました。これで転んだり打撲したりといったよほどのアクシデントがなければ、そのまま痛みは出なくあと3〜4日ほどで元に戻ると思います。
この旨を伝えて、4日後にお電話頂くことをお約束しました。その時に痛みが引いていれば後はご自身で経過観察、すこし残っているようならばもう一度治療して、あとは経過観察、ということにしました。
この患者さんは今まで体のケアをしたことがなく、もちろんギックリ腰も初体験。さらに肩こりはあったがそこまで気にしなかったという方でした。ほとんど病気もしたことがなく、病院やマッサージや針などとは無縁だったそうです。ただ、年齢的にも30代後半で働き盛りで、だんだんと無理がきかなくなってきたのでしょう。体もそろそろ限界がきてさすがにSOSのサインを強烈に出したと思います。
これは今回はギックリ腰でしたが、人によっては高熱だったり、強烈な寝違いだったり、、、いろんな症状としてSOSが出てきます。そんな時は無理をせずに早く治療して回復させてあげてください。
ちなみに、ギックリ腰は安静にしないで、動ける範囲でどんどん動いていかないと回復が遅くなるので、安静は良くないですよ。もっともヘルニアとか坐骨神経痛とか原因がはっきりしているものは安静が良いですが。そこも含めて痛みが出たらすぐに治療を受けるか、病院に行ってレントゲンやMRIを撮ってみるか何かしましょうね!