薬剤起因性頭痛(MOH)について

国際頭痛分類第3版β版では「以前から片頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛をもつ患者が急性期または対症的頭痛治療薬を3ヶ月を超えて定期的に乱用した結果として1ヶ月に15日以上起こる頭痛で、ほかに最適なICHD-3の診断がない」と定義されていて、以前の頭痛分類では薬物乱用頭痛と言われていましたが、薬物乱用の言葉が麻薬などの非合法性薬物と一般的なイメージがあり、診断書を受け取る側が様々な問題を生じることがあるために第3版より薬剤の使用過多による頭痛とされました。

薬剤起因性頭痛(MOH)の特徴

MOHは薬剤使用過多が原因なために頭痛は乱用を中止すれば消失し、適切な頭痛の治療を行えば慢性頭痛も改善されることも多いです。ただ、市販薬や処方薬などの誤った服用などで依存性が高まっている場合は離脱症状が出ることもあります。MOHの方々は自分では気付かないうちに乱用している場合がほとんどですので、乱用に気づくことが最も大切なステップです。

もともとは片頭痛を持っている方に多く、次いで緊張型頭痛の方にみられます。MOHは 0.5〜7%の40〜50代の女性に多く、女性が約70%を占めており性別が重要な危険因子とされています。その他に精神的な面や繰り返しの痛みのための痛み過敏、セロトニン受容体の活性低下などが考えられています。

薬剤起因性頭痛(MOH)の治療

治療はまずは乱用に気付くことで自分自身の乱用を自覚するために頭痛ダイアリーという日々の頭痛と服薬の記録をつけます。その上で自分自身の現状を把握して原因薬物の即時中止や、その後の頭痛への非薬物療法への切り替えや生活習慣の改善などの中止後の離脱症状への対処、原因薬物中止より早期に片頭痛予防薬と同類の予防薬投与が原則として行われます。離脱治療を行っでも36%の方が再発してしまうので、定期的に医療機関で管理していくことも再発予防のひとつとして有効でしょう。

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