妊娠、授乳期の頭痛について

妊娠、授乳において薬剤の影響は週期により異なります。着床前の薬剤の影響は着床しないか流産、あるいは影響がなく健児を出産といったall or none(全か無)の法則があります。妊娠時期による薬剤の影響として妊娠初期(妊娠16週未満)では妊娠4〜7週は胎児の器官形成がされる絶対過敏期でこの時期に催奇形性のリスクが高いとされ、8〜11週は相対過敏期です。妊娠後期(妊娠28週以降)では薬剤が胎児へ移行してしまうことの胎児毒性があり、非ステロイド系抗炎症鎮痛薬(NSAIDs)の使用で胎児の動脈管早期閉塞をきたすことがあります。早期の動脈管閉鎖は心臓に負荷がかかり心臓疾患に繋がり得るものです。

授乳期においては薬剤が母乳に影響する割合は10%以下とされて、頭痛治療薬のためにミルクにする必要はないとされています。

妊娠、授乳期の頭痛の治療と薬

病態別にみると片頭痛では妊娠初期ではこまめな水分補給と炭水化物の一度の量を少なく、回数を多めに摂ることで発作の誘発が抑えられます。また、睡眠で改善されることも多いので発作時には安静にして睡眠を取ることも良いです。妊娠中では急性期治療ではトリプタンではなくアセトアミノフェンが第一選択となり、それが無効な場合は非ステロイド性抗炎症鎮痛薬(NSAIDs)となりますが、NSAIDsは妊娠後期では動脈管閉鎖をきたすとされるために本剤は控えます。また、妊娠中の予防としては非薬物療法が基本です。片頭痛予防薬であるバルプロ酸は神経管閉鎖不全や児のIQ低下のリスクがあり危険性が高いとされています。

授乳中では急性期治療としてアセトアミノフェンが第一選択となります。その他の薬剤はアスピリンは児の代謝性アシドーシス及び、親子共に出血傾向をきたすために使用しません。また、トリプタンにはスマトリプタンにおいては投与後12時間は授乳を避ける、他のトリプタンは授乳を避けると記載されています。予防薬は全ての片頭痛予防薬は授乳回避と記載されています。

緊張型頭痛では非薬物療法、群発頭痛では純酸素吸入が第一選択とされています。

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